マニュアル化

マニュアル化のメリット

 日本の企業は権限や職責の範囲が曖昧で、暗黙裡に行なわれている業務も多く、業務のマニュアル化が進んでいないとされています。内部統制では、各業務の権限や職責を明確にし、業務内容をマニュアル化しチェックする体制の構築が求められます。

 業務のマニュアル化には、多くの手間とコストが掛かりますが、作成時に権限や職責の明確化だけでなく、改めて業務の進め方を見直し、業務の効率化やリスクの可能性も併せて考える事で、業務時間の短縮・ノウハウの継承・不正・誤謬の回避等の効果もあり、企業価値向上につながります。

マニュアル化によるメリット

  • 業務が統一化されレベルアップが図れる
  • 教える時間を短縮し、または教える人によりバラツキを減らせる
  • 担当者が代わっても質のレベルが確保される(ノウハウの継承)
  • 無駄な作業工程等の発見につながる(コスト削減)
  • 業務が統一されることで不正や誤謬の発見・回避が図れる

マニュアルと経営理念

 マニュアルを作成するには、『経営理念』が必要となります。なぜなら、進むべき方向が定まらないままでは、いくらすばらしいマニュアルができたとしても、結果にはなかなか結びつかないからです。経営理念は、従業員が各々の業務を行う上での方向付け・行動指針・心構えの基準となるものであり、これらを具体化・文書化したものがマニュアルだと言えます。

 例えば『おしぼり』に関するマニュアルを作成するにしても、『使い捨ての紙製にするか・布製にするか、テーブルに置くか・手渡しするか、そもそも出さないのか』などこれらを判断し具体化するには、『商品の低価格を追求しコスト削減を目指すのか、コスト削減よりもサービス向上を目指すのか』という企業の方向性を示す必要があり、これらの整合性が保たれていなければなりません。

マニュアル,経営理念
 マニュアル作成には、先ず経営理念により従業員の価値観や考え方を共有化し方向性を定めることが必要になります。マニュアルは、それを判断基準とし日々の業務行動において、企業が期待するレベルでの標準化を図り、文書化を行ないます。

 マニュアルは『経営理念』と『日々の業務』とを結びつける役目を担っていると言えます。