月次決算を活かす

月次決算

月次における中小企業の問題点

 中小企業では月次決算を行っているにしても、月次決算数値が確定できるのは顧問税理士が処理・確認後であって、もし担当者が顧問先を10、20社抱えていれば、2.3ヶ月後だったりすることが多々あります。

 しかし本来、毎月前月の月次決算内容に関して翌10日程度には会議を開き、前月の月次決算結果を基に、計画の見直し・継続・修正等を判断して行かなければなりません。月次決算は会社の経営活動を適時に報告する手段であり、経営者による評価・改善の基礎となるものであり、2.3ヶ月後に決算を確定させ経営会議を開いているのでは、経営判断が遅れてしまいます。

中小企業によくある問題点3

  • スピード・・・税理士事務所の担当者の都合で月次決算資料が2.3ヶ月後にに出てくる
  • 決算書読解力・・・社内に決算書を読める、理解できる人材がいない
  • 正確性・・・正確性を求められるものと、概算でよいものの判断が付かない。

 私も会計事務所としてお客さんの月次を何件も作成してきましたが、正直 月1~2回の訪問で社長や会計担当の方と数時間話しただけでは会社の業務実態を掴みきれず、その中で月次決算状況・来月の対策などを話すにしても、在り来たりのことを話すことしかなかなかできません。一方会社内では私が月次を作成することで、月次決算の数字を把握している人はいない状況ですし、いくら会計担当の方に説明してもなかなか理解しきれません。結果、私は実業務を把握しきれず・社内は数値を読みきれない状況で月次決算数字はただの紙切れとなり経営判断材料に活用されていない状況が多々ありました。

 会計の数字だけの読み取りでは経営判断材料にはなかなか成り得ず、業務実態と数字とをあわせる見ることで、はじめて数字の意味するところ(問題点・修正点)が見えてきます。業務実態と数字とをあわせ見ることは外部の人間ではなかなか出来ないのです。

問題点のために

 上記に挙げた問題点の大きな要因として、月次決算を外部(例えば顧問税理士事務所)任せにしていることが挙げられます。ですから、これらの問題を解決するためには、自社で経理処理を行える体制を整備することです。このことを、会計業界ではよく『自計化』と言います。

中小企業によくある問題点3を解決

  • スピード・・・自社で行うので、税理士事務所の都合に左右されない。
  • 決算書読解力・・・担当者が経験や知識を積むことで、業務実態と数字とを合わせ総合的に助言ができる人材が育つ
  • 正確性・・・会議を重ねることで正確性を求められるものと、概算でよいものの判断が付くようになる。

 もちろん自計化にすれば直ぐ問題が解決する訳ではなく、経理担当となった方のスキルレベルにもよりますがある程度時間を掛け人材の成長を待つ必要があります。しかし、この時間を掛けなければいつまでも外部任せでは現状は変わりません。