月次情報公開

情報公開

従業員への情報の公開

 中小企業では、決算書および月次決算などの数値を、経営者と経理担当者以外に見せていない場合が多々あります。そのため従業員達は会社の経営状況もわからないままで、毎月のように会議では社長から『先月は業績が悪かったので、今月はもっと利益が出るよう頑張れ!』などと言われ、現場で必死に業務を行なっている者にとっては納得できないことがよくあります。決算書の数値は経営陣にとっても大切ですが、第一線で働く者にとっても重要で、これらの客観的な情報を得られないまま叱咤されても納得できませんし、現場での問題を解決することも難し状況です。

 決算書の数値を公開することで、従業員に知られたくない情報を知られたり・外部に情報が漏れる可能性もありますが、決算書の数値を現場の従業員が把握することで、問題点や課題の本質が分かり、より良い解決方法が提案されことも多々あります。逆に情報を公開しなければ、全てを社長ひとりで考えなければならなくなり、折角の組織の力を活かしきれていないことなってしまいます。

 「会社のことを考えているのは、俺だけだ」と愚痴をもらす社長さんがいらっしゃいますが、会社の資金や人件費・利益などの情報を知らされず、会社の状況が全く分からない社員には問題意識も生まれませんし、ましてや解決策の提案などあるはずありません。親の財布状況が分からない子供は小遣いや玩具を求めるのと同じように、会社の状況が分からない社員は昇給や最新機械を求めてきます。

 確かに、情報を公開するということには勇気が必要ですが、公開することでより多くのものを得られるのも事実です。情報を公開するのが躊躇われるのでしたら、「資金や役員報酬は除く」「幹部のみに限定」などとする方法もあります。