社内帳票整備

帳票書類の回収

帳票書類の回収
 月次決算のスピードは上記表での『A』(帳票)を『C』(本部)への回収、すなわち現場からの帳票書類を如何に早く本部(管理部)に集めるかで、ほぼ決まってきます。
それ以降は本部が行う作業であり、会議にまでに月次決算を仕上げるという部門責任から、(使命感あれば)残業・徹夜してでも完成させますが、現場から書類が集まらないと作業は行えず梨の飛礫です。
 では現場からの書類回収をスムーズに行うためには、何が必要かと言えば帳票整備と、業務フローの確立が挙げられます。

帳票作成ポイント

帳票整備はその作成ポイントは以下の通りです。

  1. 記入のし易さ
  2. 書類フローの分り易さ
  3. 決裁権限者等の整備

1)は、経理業務が整備されている他社の帳票を持ってきてそれを採用すればよいと言うわけではありません。基本的にできるだけ現在使用しているものがあれば、それに修正を加えるのがよいと思います。なぜなら今までせっかく慣れ親しんできた帳票から、全く違う帳票となるとなると現場はどこに何を記入すればよいのか分らず混乱してしまうからです。
2)は、現場から『自分の次は、誰に持ってゆけばいいのか分らない』と言う混乱を避けるため、できるだけ帳票内にそのフローが織り込まれているようにするのがよいです。(例えば、上から順番に埋めて行く形・承認印をフロー順にする等)
3)は、帳票作成の前提事項ですが『当該書類の決裁者は誰なのか』を再度確認しなければなりません。 これは、後々作成する社内規程にて決定しなければならない事項ですが、差当り確認も含め簡便的に下記のような職務権限一覧表を作成しておくと、帳票整備がし易くなります。
職務権限規程
 これらのポイントを一言でいえば『使う側の立場に立つ』ということです。これは「仕組み」を作る作業のすべに言えることですが、実際に使用する現場の人達は管理業務のプロではありません。こちら側が簡単な作業と思っていても、現場からするとかなりの手間になったり理解が難しい場合もあります。これらを強引に進めようとすれば、現場との摩擦を生みかねません。

 人は急激な変化に嫌うものです。やるとなると少しでも早く進めたいという気持ちもありますが、現場にソッポを向かれてはどうしようもありません。一方的な押し付けではなく、必要な時間は掛け相手の意見を聞き・話し合い・譲れるところは譲りながら作成して行くことも必要です。